おすすめ その1
人間国宝として知られ、民芸運動の中心にあった陶芸家濱田庄司の、作品や収集品、住居を、工芸家や一般の人々に広く開放したいと開かれた益子参考館には、濱田庄司の名は冠せられていない。
そこには、陶芸家といわれるより陶工と呼ばれることを望み、古今の陶工の仕事の手わざを学んで、その域に達することを心がけた濱田庄司の人柄が表われている。
庄司の次男、濱田晋作館長夫人、映子さんの言葉を借りれば、
「義父は、本当に公平無私の人でした。家族も、手伝いに来る人も皆同じように接しました」
やさしい舅であり、穏やかなお爺ちゃんであった。
濱田庄司が五十年にわたり、十数回に及ぶ海外旅行と国内の旅行によって集めた工芸品は、古今洋の東西を問わず約二千点にも及び、それを選んだ彼の目は、日々の暮らしの中で使われてきた物に注がれていた。