テニス・コーチのためのアドバイス 3
それから半年ほどし、その女性が友人を連れてテニス・クラブに現われ、私の見ている目の前でラリーを始めた時の驚きは言葉でいい表わせないほどでした。
まったくの別人なのです。
ストロークもボレーも素晴らしいボールを打てるようになっていたのです。
私が1年以上かかってできなかったことを、わずか半年足らずで完壁にこなすようになっていたのです。
あまりの驚きのために「どうしてそんなに上達したのですか」と正直に尋ねてみたところ、この半年別のコーチにつき、週に1回レッスンを受けていたという返事でした。
ただ、そのコーチが私と違っていたのは打った後、"今のはラケットのどこにボールが当たったかわかりますか"という質問をたびたび彼女にしたことでした。
彼女は、自分がラケットのどこでボールを打っているのか、そのコーチの指摘を受けるまで全然理解できていなかったわけです。
私はそのことに気付かず、"ボールをよく見て、ラケットのまん中で打ちなさい"というアドバイスしか与えていなかったのです。
私の教え方は、一方通行でフィード・バックを怠っていたため、彼女はテニスに対する第一歩ですでにつまづいていたわけです。