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2010年12月 アーカイブ

自由貿易体制の維持

「消費は消費なり」という格言は、"経済活動の目的は消費であり、生産はあくまでも手段にすぎない"ことを意味しています。


そして日本あるいは日本人はこの目的と手段の関係を、取り違えてきたのです。


しかしこの目的と手段の取り違え、主客転倒は、消費=生産の関係だけでなく、日本の貿易行動と日本がつくり上げた産業構造との関係にもみることができるのです。


天然資源に乏しく、加工貿易に頼らざるを得ない日本は、世界の中で自由貿易体制の恩恵を最大限に受けている国の1つであることには間違いないでしょう。


もし自由貿易体制が崩れ、世界の各国が保護貿易主義に走ると、日本はたちまち経済的に沈没してしまうでしょう。


したがって日本がそれを防ぐ唯一の方法は、貿易相手国を保護貿易体制に追い込まないで、自由貿易体制を堅持することなのです。


しかし日本が戦後一貫してつくり上げてきた産業構造は、外貨不足の不安感・恐怖感に基因する見せかけの自己充足型産業構造です。


この自前主義経済は、"輸入しない"あるいは"輸入できない"構造をつくり出したのです。


この構造は、どうみても自由貿易体制とは相入れないもの。


この意味で、日本は擬制(見せかけ)の惰前経済を築くために、自由貿易体制を手段として利用してきたといえなくもないでしょう。

見せかけの経済

日本国内だけのスタンスに立てば、この自己充足型の自前主義経済は、それなりの説得力がありますが、世界的スタンスからみると、それはナンセンスなのです。


・・・というのは、世界の自由貿易体制というシステムの中には、貿易が自由に行われれば、世界の貿易量が拡大し、世界に政治的・経済的繁栄と安定をもたらすという理念が刻み込まれているからです。


したがって世界的スタンスからいくと、自由貿易体制の維持という目的を達成するために、各国は自国の経済をどう協調させていくかが最重要課題なのです。


日本もその例外ではありません。


したがって、自由貿易体制の維持ということが日本の国家目的でなければなりません。


なぜなら世界の自由貿易体制なしには、日本の存立はあり得ないからです。


アメリカは、いままで自由貿易の旗手として、立場上自由貿易体制の理念に奉じてこなければならなかったのです。


一方、日本はアメリカの傘の下で、輸出を拡大するだけ拡大し、その過程で、強固で閉鎖的な自払則王義の産業構造をつくり上げてきたのです。


そして貿易摩擦である、貿易に関してはおよそ自由貿易の理念なぞ頭の隅になかったといっていいでしょう。

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