アメリカの切り札
日本とアメリカは経済的には運命共同体なのです。
アメリカが悪いの、日本が悪いのという議論は、ただ両国民の感情を高ぶらせるだけでなく、政府・最高責任者の政策運営の是非を問題の焦点からはずすことになります。
摩擦・軋礫の解決に役立つどころか、むしろ有害なのです。
最も大切なことは、摩擦・軋礫現象に惑わされることなく、それを惹起させている両国の経済構造なり産業構造を客観的に分析し、正しい現状認識をすることです。
1960年から80年までの、20年間にわたる、日本・アメリカ両国の産業別の国際競争力を比較したものがあります。
国際競争力を測る指標として使っているものは、全要素生産性と呼ばれるものです。
これは生産に必要なすべての要素、つまり、いろいろな原材料、労働、資本などの全投入要素を総合的に測り、その投入量に対する生産量の効率を測ったものです。
このTFPは、ある生産に必要な全投入要素の生産効率を示している点で、技術水準の総合評価でもあります。
日・米の産業を30の産業部門に分類し、中心から放射状の軸で示した図があります。
それぞれの軸の中心からの距離がその産業の生産性の水準を示しています。
両国の産業の生産性の特徴をはっきりさせるために、各産業の生産性水準をそれぞれ実線と点線で結んですが、実線は日本、点線はアメリカの生産性水準であり、中心に近い内側にプロットがある産業は、相対的に生産効率が低いことを示しています。